淺川組が施工を担当している2025年大阪・関西万博フィリピンパビリオン。
周辺は多くのパビリオン建設が同時に進行中であり、空間的な制限が多くあります。今回は限られたスペースのなかで円滑に工事を進めていくための工夫をご紹介します。

フィリピンパビリオンの位置と敷地

大阪・関西万博フィリピンパビリオン位置図 ※周辺パビリオンのみ表示

フィリピンパビリオンは大阪・関西万博のシンボルである大屋根リング内の北東部に位置しています。

周辺は、北と東は大林組JV様が舗装や植栽などのランドスケープ工事を施工しており、南はアメリカパビリオン、西は万博協会が建物を用意し各国が内部装飾をするパビリオンタイプB(建物渡し方式)の建設工事となっており、四方で工事をおこなっている状況です。

建ぺい率
フィリピンパビリオンは*建ぺい率が70%です。
実際は936.04㎡の敷地に対し603.95㎡(約65%)に建物を建てます。そのため余剰地はあまりありません。

*建ぺい率とは
敷地面積に対して、建物を建ててもよい面積の割合。建物の用途や地域・場所によって法律で定められています。

Multi Job Car

大阪・関西万博工事は、基本的に自社の工事敷地内で工事を完結させる必要があります。しかしこの現場では、通常敷地内や現場周辺に設置する仮設ハウスの事務所を置く余裕がありません。
そこで今回、移動事務室車「Multi Job Car(マルチジョブカー)」を導入しました。

キャンピングカーのように車両後部が部屋になっており、もちろん車を動かして移動が可能です。
工事に合わせて作業をしていないスペースに移動させながら、有効的に敷地を活用しました。

車内の構成は、半分が事務所スペース、もう半分がトイレです。
事務所スペースは二人で使用できる広さとなっています。
また、トイレは綺麗で快適なため、気分も上がったようです。

大阪・関西万博フィリピンパビリオン前に停車するMulti Job Car

フィリピンパビリオンの基礎工事が終わり、木造建方に取り掛かったのは7月に入ってからで、屋根が施工されたのは8月です。日差しが強く暑い夏であり、現場に影も少なかったですが、このMulti Job Carは空調完備のため、熱中症予防にも効果的でした。

最後に

淺川組では現場の状況に合わせて新たなモノ、便利なモノを取り入れながら施工をしています。今回は作業員さんの休憩所も工事に合わせて移動可能なようにしていました。
それは「全員が気持ちよく仕事ができるために」という思いからです。現場運営も施工管理の大切な仕事のひとつです。


「自然、文化、共同体― よりよい未来をともに織りなす」をテーマに、豊かな伝統、多様な自然、創造性を表現した「EXPO 2025 大阪・関西万博 フィリピンパビリオン」の詳細は、下記よりご覧いただけます。