大阪・関西万博フィリピンパビリオンの特徴は、なんといってもその外観です。
今回は外観にクローズアップします。
外部足場も一体に
フィリピンパビリオンでは、仮設工事で使用する外部足場をファサードの構造体として利用するという、前例がない斬新なデザインに挑戦しています。
外部足場は木造の本体建物・外を覆うスチールフレームと連結され一体となっています。

これは面白い試みで、構造物としての面白さもありながら、一度解体し、建物解体時に再度外部足場を組み立てる工程を省略できるので、工事のスケジュール的にも費用的にもメリットがあります。
万博開催中は、スチールフレームに籐細工や織物が取り付けられるのでぱっと見はわからないかもしれませんが、万博に行かれた際はぜひ近づいて見てみてください!
施工性の向上
また施工管理職は設計図をもとに工事を進めていきますが、ときには施工業者ならではの視点で提案を行うことも。
今回は、外装ファサードのスチールフレームの1ユニットを小さくする提案をおこなっています。これは、まだ完全に決まりきっていなかった外装のデザインについて狭い敷地条件の中で、施工計画の選択肢を拡げるためです。
設計図通りのフレームの大きさだと、敷地外でクレーンを使用して取り付けていく必要がありました。
しかし周辺工事の進捗に合わせて、重機使用可能期間が限られるなかで工程に大きく影響が出る可能性がありました。
そこでウインチ(巻き上げ機)のみの使用でも施工できるサイズへの変更を提案させていただき、受け入れていただきました。
最後に
施工管理の基本は図面通りに施工していくことですが、さらに良くするにはどうすればよいかを常に考えています。与えられた条件で建物を完成させるにはどうすればよいのか、図面を読み解き、現場をよく観察し、完成までのイメージを持つことが大切です。
淺川組は日々お客様のことを考え、最善を追求しています。
最終回となる次回は、再び淺川組施工チームへのインタビューをお届けします。
「自然、文化、共同体― よりよい未来をともに織りなす」をテーマに、豊かな伝統、多様な自然、創造性を表現した「EXPO 2025 大阪・関西万博 フィリピンパビリオン」の詳細は、下記よりご覧いただけます。